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赤ちゃんが蜂蜜(はちみつ)を食べてはいけない理由について

赤ちゃんが蜂蜜(はちみつ)を食べるとどうなるの?

 

はちみつをスプーンですくっている様子

1歳未満の赤ちゃんに蜂蜜(はちみつ)をあげてはいけませんが、どうしてでしょうか?

それは赤ちゃんが乳児ボツリヌス症になる可能性があるからです。

ボツリヌス菌は、土壌に多く存在しており、海、川、湖などにも広く存在します。つまり自然界に普通に存在している菌のため、非加熱で作られた蜂蜜(はちみつ)には当然入っている可能性があるということです。

ボツリヌス菌を死滅させるには120°Cで4分間以上の加熱が必要のため、通常の調理ではボツリヌス菌は存在します。赤ちゃんに野菜をあげる場合にもしっかりと土を落として除菌し、出来るだけリスクを減らしましょう。

 

 

乳児ボツリヌス症とは

 

概要

乳児ボツリヌス症は生後6カ月未満の乳児で最も多く発生します。なぜなら離乳食を始めていない、または始めた直後で腸内環境が整っていないためです。記録では最年少の患者は生後2週、最年長は生後12カ月であり、蜂蜜(はちみつ)を摂取したことによる症例が多いことから「生後12カ月未満の乳児には蜂蜜を与えてはならない」とされています。

症状

乳児ボツリヌス症の90%の症例で便秘がみられます。次に脳神経から始まって末梢神経および呼吸筋へとつながる神経筋麻痺が起こります。脳神経の障害としては、目の周辺の麻痺(まぶたが下がったり、目の向きが変えられない)、泣き方が弱くなる、哺乳力が弱くなる咽、誤嚥しやすい、よだれが溜まる、筋緊張低下(体がぐにゃぐにゃしている様子)、無表情などがあります。

重症化すると重度の筋緊張低下および呼吸機能不全を起こし、命に関わる重篤な状態となる場合もあります。

診断方法

便検査が必要です。便中でボツリヌス菌を検出できれば、乳児ボツリヌス症の診断が確定されます。

治療方法

ヒトボツリヌス免疫グロブリンによる点滴治療が必要になります。状況に応じて患児を入院させ、必要に応じた支持療法(酸素投与、人工呼吸療法等)を行う場合もあります。

抗菌薬を使い、溶菌を起こすと毒素の吸収が増えてしまうため、乳児ボツリヌス症には抗菌薬は投与しません。

 

 

母乳の場合、お母さんは蜂蜜(はちみつ)を食べても大丈夫なのか

 

結論から言えば、全く問題ありません。

大人の場合、ボツリヌス菌が体内に入っても、他の腸内細菌に負けてしまうため、問題になることはありません。
生後1ヶ月後は離乳食等により腸内環境が整うため、蜂蜜(はちみつ)を控える必要はありません。ハチミツは栄養価の高い食品なので正しく理解して美味しくいただきましょう!

 

 

蜂蜜(はちみつ)を含む食品について

 

蜂蜜(はちみつ)を含む食品は多くあり、注意書きが書いてある場合もありますが、注意してほしい食品に「食パン」があります。特に高級食パンは素材や製法にこだわりがあり、はちみつを含んでいる場合があります。食パンはオーブンで200℃前後に温めるので安心かと思われがちですが、芯熱は95℃前後にしかなりません。要はボツリヌス菌は死滅しないので、乳児ボツリヌス症のリスクがあるということになります。

蜂蜜(はちみつ)だけではなく、過去には自家製野菜スープで感染した症例もあるため、やはり蜂蜜(はちみつ)、土のついた野菜、井戸水や湧き水などは常にリスクがあるということを意識しておいたほうが良いでしょう。

万が一、口に入れた場合には無理に吐かせたりせず、ミルクや麦茶など水分を多く摂取させて排便を促すように心がけましょう。

この記事を書いた人

セセリ ナオ

手術室、ICU、CCU、循環器病棟の経験を経て、現在では産業保健の分野で保健師をしています。人間ドック健診情報管理指導士(人間ドックアドバイザー)の資格を有し、10年以上も食事や運動など生活習慣改善に向けた特定保健指導を実施しています。
専門の知識を生かして地元のミニバスケットボールチームに関わらせていただき、子供達の成長を一緒に見守っています。

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