便潜血が陽性(+)または便に血が混じっている場合の対処法
健康診断の便潜血検査で1日でも陽性(+)が出た場合の対応
健康診断の結果(便潜血検査)でどうしたらいいのかわからない!って方のためのブログです。
医療従事者や健診に詳しい方は専門性の高いサイトをご参照ください。
さて、健康診断や大腸がん検診で便潜血検査2日法を実施しますが、1日でも陽性(+)が出たらどうしたら良いでしょうか?
正解は消化器科を受診して精密検査(大腸内視鏡検査)を受けることです。
便に血が混じっていたり、水面に血が浮かんでいるときも同様です。
「痔があるから」とか「生理中だったから」とか「数年前に陽性で検査したら問題なかったから」と理由をつけて受診しない…という選択肢だけは選ばないでください。
なぜなら大腸がんの可能性があるからです。
もしも大腸がんだったら…
精密検査(大腸内視鏡検査)を受けた結果、大腸がんだったとします。
大腸がんがどのくらい進んでいるのか?というのを判断する基準があるのですが、難しい話はしません!
早く見つかれば「※5年生存率」が90%以上、発見がかなり遅れると20%を切ります。
※「5年生存率」
これだけはがんを語るうえで必須なので伝えておきます。がんを治療して5年経てば再発する可能性は低いという点から「5年生存率」という表現になります。「5年後に治っている」ではないので注意が必要です。つまり「5年後にがんはあるけど、闘病して頑張っている人も含まれる」ということです。
みんなも頭ではわかっているけど、行動に移せない人がかなり多いのが事実です。
その理由には「病院が嫌い」「仕事が忙しい」「症状がないんだから大丈夫」なんて方がほとんどです。
「早く見つかれば助かる可能性が90%以上」と言いましたが、そんな段階のがんでは無症状がほとんどです。
正しい検査をして、結果が悪ければ受診する。それを怠れば早期にがんを発見できないということです。
大腸がんが進むとどんな症状が出るのか
・腹痛
大腸がんそのものが痛いのではなくて、がんで狭くなった腸に便が通ろうとするから痛みます。だから痛みは一定ではなく、断続的に起こります。
・嘔吐
腹痛で説明したとおり、腸が狭くなるので最悪通らなくなります(腸閉塞)。下から出ないとどうなるのか?もちろん上から出ます。このときはお腹の痛みも出ているはずなので、緊急性が高いです。すぐに消化器科がある病院を受診してください。
・便が細くなったり、下痢や便秘、血便を繰り返す
腹痛や嘔吐で学んだとおり、腸が細くなるので出てくる便は細くなります。腸も通りづらくなっているので、通ったり通らなかったりすれば、それが下痢や便秘となって表れます。
・貧血
がんがあると周囲の粘膜が弱くなって出血します。その出血が続くため、貧血を起こします。立ちくらみやめまい、顔色が青ざめていたら貧血の可能性が強いです。ひどいと意識を失ってしまうので症状があれば病院を受診してください。
下腹部を触ると固いところがある
がん細胞が増えて腫瘤が大きくなると皮膚からでも固いのがわかります。これは大腸がんだけに限らず、乳がん、子宮筋腫など様々な疾患に対して言えることですが、日常から観察することが大切です。お風呂に入るとき、着替えるときなど自分の身体をしっかりと見て普段と変わったことがないか気づくことが重要になります。
大腸がんの治療について
早い段階で見つかれば、大腸内視鏡検査で切り取っておしまいです。
大腸内視鏡で切り取れないくらい大きくなったら手術室で外科の先生が腹腔鏡で手術します。カメラを使って小さな傷で済むので終わった後の痛みや体への負担が少なく、退院日数が短くて済みます。更に大きいと開腹手術といって、お腹を腹腔鏡よりも大きく切って手術します。
がんがもっと大きかったり、がんの場所が難しい場所にあったら抗がん剤を使って小さくした後に手術をする場合があります。
抗がん剤を使っても手術が難しいくらいのがんの大きさだと、がんはとらずに人工肛門だけ作る場合もあります。
こんな簡単に説明して終わる話ではないのですが、本当にざっくりした内容です。
では、積極的な治療をしても大腸がんを治すことが出来ない状態を「大腸がん末期」と言います。
この頃には痛みがかなり強く、腸閉塞をおこして食事がとれません。痛みを抑える強いお薬を飲みながら、ごはんが食べられるように人工肛門を作ります。不安なときは気持ちを落ち着かせるお薬も使います。
そうやってがんと向き合っている本人や家族を気遣いながら心身の緩和に努めていきます。
個人的な思いになりますが、今までたくさんのがん患者さんを見てきました。
幸せな思いも、せつなくて苦しい思いもたくさん経験してきました…
どうか、どうかお身体を大切にして、健診で問題があったらちゃんと病院を受診するようにしてください。
ちなみに黒色便が続いていたら
大腸がんは血の混じった便(赤色の混じった便)が多いですが、胃がんがあった場合は黒い便が出ます。
胃酸と血液が混じると黒くなったり、大腸を通過する際に腐敗や酸化が進むと黒い便が出ます。
胃の痛みや胸やけなどの症状があったら我慢せず、内視鏡設備がある消化器科を受診してくださいね。
ちなみに1年に1回は胃内視鏡検査を受けてほしいところですが、せめて年に1回は健康診断または胃がん検診で胃バリウム検査を受けましょう。
便潜血検査の注意点について
便潜血検査(2日法)は検査キットが2つ入っています。ときどき、「便が出ないから2本とも同じ便でとった」と言ってくる人がいます。限りなく無意味なのでやめましょう。
便は提出当日、前日、前々日くらいで2回採取するのが望ましいです。
具体的には1回だけだと大腸がんを発見できる確率56%、2回だと80%越えです。だったら正しく2回とりたいですよね。
便の取り方
採取キットには先端に溝がついています。添付文書にもありますが、多すぎても少なすぎてもダメ。
一番大切なのは「便の表面を数カ所ぬぐうこと」です。これは血液が付着している場合、その部分をしっかりとぬぐいたいからです。それから中をつつく必要はありません。ほとんどが便の表面に血液は付着しているからです。あと中をつついているとなんだかせつなくなります。
便の保管方法
採取したら25℃以下の涼しい場所で保管する、または冷蔵庫で保管するのが望ましいです。その状態で5日間が目安です。
25℃以上の場所、直射日光のあたる場所に置いたり、時間が経った検便容器は血液として判断できなくなり、正しい結果が出ません。大切な検査なので、保管場所と保管期間には注意しましょう。
ちなみに冷蔵庫に入れる場合には同居している皆さんに相談して入れましょうね。
採便を控えるタイミング
・生理中は避けましょう。(生理終了後2~3日後が望ましいです)
・感染性胃腸炎で激しい下痢の場合は血便が出るので治ってからにしましょう。ちなみに普段から下痢気味の方は問題ありません。
・潰瘍性大腸炎で治療を受けられている方も血便が出るので、出来れば大腸内視鏡検査が望ましいです。
その他の健診結果でお悩みの方へ
便潜血検査の結果以外で、気になる検査結果があった場合は他のブログもご参照ください。
同様に検査結果の見方から普段の生活でどのようなことに注意すれば良いのか記載しております。
・高血圧
健診結果の見かたと対応について(高血圧の場合) | Lio Pan
・脂質代謝異常
健診結果の見かたと対応について(脂質代謝異常の場合) | Lio Pan
・糖代謝異常
健診結果の見かたと対応について(糖代謝異常の場合) | Lio Pan
皆様が心身ともに健康でいられることを心より願っております。
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