健診結果の見かたと対応について(糖代謝異常の場合)
健康診断の糖代謝の項目を見てみましょう!
健康診断を受けたら必ず健診結果が返ってくると思いますが、ちゃんと見て正しい行動が出来ているでしょうか?
ここでは医療従事者が見るような難しい話ではなく、知識がほとんどない方でも理解できて、何に気をつけなければいけないのかを簡単に説明させていただきます。
今回は糖代謝異常についてです。
皆さんは健診結果が返ってきて「空腹時血糖(FPG)」、「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」、「尿糖」という項目が入っていると思います。
特に重要なのは「空腹時血糖(FPG)」、「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」の2つです。もちろん「尿糖」のように判断の目安となる項目はあるのですが、見かたや対応、糖尿病になったらどうなるのかなどを順を追って説明していきたいと思います。
糖代謝がB以上だったらどうする?
判定区分 2023年度版 ※人間ドック学会HPより抜粋
項目 | A.異常なし | B.軽度異常 | C.要再検査・生活改善 | D.要精密検査・治療 |
空腹時血糖 FPG(血漿)㎎/dl HbAIc % |
FPG:99以下 かつ HbA1c:5.5以下 |
1)FPG:100~109かつHbA1c:5.9以下 2)FPG:99以下かつHbA1c:5.6~5.9 1),2)のいずれか |
1)FPG:110~125 2)HbA1c:6.0~6.4 3)FPG:126以上かつHbA1c:6.4以下 4)FPG:125以下かつHbA1c:6.5以上 1)~4)のいずれか |
FPG:126以上かつHbA1c6.5以上 |
尿糖 | (-) | (±)以上 |
紛らわしい人は糖代謝の判定A~Dまでを気にしてくれれば大丈夫です。
Bの人は明らかな異常は認めませんが、今から生活習慣を見直していきましょう。食事や運動については後程、説明します。
Cの人は内科を受診して再検査を受けてください。また生活習慣の改善が必要です。食事や運動について改善できるところは積極的に行っていきましょう。
Dの人は糖尿病が強く疑われます。必ず医療機関を受診して精密検査や治療などをご相談ください。生活習慣の改善も必ず行いましょう。治療を始めたから大丈夫という話では全くありません。
判定区分の中で「尿糖」は(±)までしかありません。(+)以上になったら空腹時血糖値(FPG)が160㎎/dl~180㎎/dlくらいまで上昇していることを示唆します。尿糖が判定に影響しないのは、生活習慣病における糖尿病と関連の少ない「腎性糖尿」や「甲状腺機能亢進症」の病気が考えられるからです。尿糖はあくまで目安であって、注意してみるのは「空腹時血糖(FPG)」、「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」です。
B判定の人
生活習慣について見直してください。
食事については糖質を過剰に摂取していませんか?時々聞かれるのですが、ごはんやパン・麺類もしっかりと糖質が含まれています。主食がメインの人は主菜や副菜を増やして、主食を減らすことが大切です。また、食べる順番を甘くなさそうなものからゆっくりと食べてください。野菜を毎食しっかりと食べて…なんて指導するとだいたいの人が「高くて買えないよ」とか「面倒くさい」とか言われてしまうので、私の場合は改善することが嫌にならないようにそう指導しています。頑張って野菜を準備している人も美味しいドレッシングを沢山かけたら逆効果になりますので注意してください。
ゆっくりと糖質の少ないものから食べる理由は、膵臓を人間に例えると分かりやすくなります。膵臓は身体に入ってきた糖をインスリンを使って処理してくれます。
人間が走る際にいきなり全力疾走をしろ!と言われたら嫌ですよね。しかも短い時間で何回もなんて言われたら心が持ちません。体が悲鳴をあげて心もすっかり疲弊してしまいます。内臓脂肪という壁もよじ登りながらなんて言われたら余計に辛くて、膵臓は走ることを辞めてしまいます。
次に運動についてですが、お勧めは筋トレです!筋肉はブドウ糖を取り込んで栄養とします。言わば膵臓と筋肉は一緒に戦ってくれる親友なのです。また、筋肉はエネルギーをたくさん必要としますので、基礎代謝量が上がり、痩せやすい体質へと変えてくれます。
筋肉について詳しく載せたブログもありますのでご参照ください。
腕立て伏せとプッシュアップバーの違いについて | Lio Pan
腹筋運動と腹筋ローラー(アブローラー)の違いについて | Lio Pan
ブログの中でも紹介していますが、とりあえず筋トレを始めてみようという人にお勧めしているアイテムがあります。
このようなものを使わなくても自重トレーニングは出来るのですが、効果をあげるには正しい知識と技術が必要です。道具を使うと技術は補ってくれるので、初心者こそ道具を使うと便利ですよ。
C判定の人
最近までは「C=経過観察」という認識でしたが、最近では「C=要再検査・生活改善」という表現に変わりました。なぜなら経過観察を放っておいて年に1回、健診を受ければ良いだろうと考える人たちが大勢いるからです。
Cは要再検査です。1カ月後に再検査、3カ月後に再検査、半年後に再検査など指示は診察した医師によって異なりますが、無視はせずに従ってください。「自分の体のことは自分がよく知ってる!」と豪語して取返しのつかないことになってしまった健診者も沢山見てきました。どうか指示に従い、医療機関を受診してください。何もなければそれに越したことはありませんが、何かあってからでは遅いのです。
そして「生活改善」というニュアンス。Bと違って言い切ってます。健診結果を見たその瞬間から変わってやりましょう!
やることはB判定で記載したことと同様です。
D判定の人
糖代謝にDがついた場合、必ず医療機関(内科)を受診して精密検査や治療等をお受けください。糖代謝異常の進行具合によっては内科だけでなく、眼科や外科、腎臓内科などにかかる可能性もありますが、そのような状況になる前に内科を受診してください。
糖尿病が強く疑われる場合、体内では非常に多くの糖が存在します。その糖が活性酸素を生み、血管をボロボロにします。結果、血管が細くなったり、硬くなったりして様々な合併症を引き起こします。
・糖尿病網膜症
眼球の網膜と呼ばれる部分の毛細血管が狭くなり、光を感じなくなります。最終的には眼底出血や網膜剥離を経て失明する可能性が出てきます。D判定の人は眼底検査を年に1回は必ず受けるようにしてください。糖尿病網膜症は悪化してから気づくので、その時点では遅いです。
・糖尿病性腎症
糖尿病の恐いところは大切な臓器の血管をボロボロにすることです。腎臓も同じで機能が低下すると尿が作られなくなり、体に水分がたまります。そのうち老廃物もろ過できなくなって尿毒症という命に関わる症状へと変貌します。そこまで行くと治療法は透析をするか、腎移植をする必要があります。
・糖尿病性神経障害
過剰な糖が神経に蓄積して神経が変性します。また神経周囲にある血管の血流が低下することで、神経の動きが悪くなります。症状が現れやすいのは足先です。軽いうちは足先のしびれや冷感、軽く突き刺すような痛みなどが出現したり、改善したりを繰り返します。最終的には機能が失われ、痛みを感じなくなったり、血流が途絶えて傷の回復が遅れたり、炎症を引き起こします。結果、足に潰瘍が出来たり、壊疽(虚血による体組織の死)して足を切断する必要も出てきます。こちらは何度も足を切る瞬間を見てきましたが、たまったもんじゃありませんので、どうか重症化する前に適切な治療や生活習慣の改善を徹底してください。
自律神経障害を起こすと足先だけにとどまらず、胃もたれ・便秘・下痢などの胃腸障害、立ちくらみ、勃起障害(ED)など様々な症状を引き起こします。
このように糖尿病は本当に厄介な病気です。そのため、正しく恐れ、適切な対応が必要となります。普段から規則正しくバランスの良い食事や適度な運動を心がけていただき、健康な生活を送れますよう祈っております。
他の健診結果も気になる方は以下の項目を参照してください。
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