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健診結果の見かたと対応について(脂質代謝異常の場合)

健康診断の結果をしっかりと確認しましょう。

 

皆さんは年に1回は必ず健康診断を受けていると思います。結果が返ってきたら判定はどうなのか、医師のコメントにはどのような記載があるのか、注意深く見る必要があります。

残念ながら「会社に言われて受けているだけだから」「いつもと同じだから」「生活を変えるつもりはないから」などと言って医師の判定やコメントをないがしろにしてしまう方も少なくありません。

ここでは一般の方が結果を見たときにどのように対応すれば良いのかを簡単にアドバイスできればと思います。今回は脂質代謝異常について説明いたします。

 

 

脂質代謝がB以上だったとき

 

脂質代謝の結果がB以上だった場合はAの「異常なし」になれるようにし、Cの「要再検査・生活改善」にならないように生活習慣を改善する必要があります。

Dがついたらその時は必ず内科を受診して治療または精密検査をお受けください。

なぜなら動脈硬化の原因になるからです。もっと言えば心筋梗塞や狭心症など命に関わる病気になる可能性がぐっと上がるからです。

身体に異常がないから大丈夫!と思っている方。動脈硬化は自覚症状がないのでわかるわけがありません。採血結果は身体に起きている変化を数値化してくれる大切な指標なので、下記を参考にしてください。

 

脂質代謝系の判定区分 2023年度版(ドック学会より引用)

 

項目

A.異常なし B.軽度異常 C.要再検査・生活改善 D.要精密検査・治療
HDLコレステロール

40以上

  35-39 34以下
non-HDLコレステロール 90-149 150-169 170-209 89以下、210以上
LDLコレステロール 60-119 120-139 140-179 59以下、180以上

中性脂肪(TG)

(トリグリセライド)

30-149 150-299 300-499 29以下、500以上

 

 

各項目の説明

 

HDLコレステロール

HDLコレステロール(High Density Lipoprotein cholesterol)は、増えすぎたコレステロールを回収して、血管壁にたまったコレステロールを取り除く働きをします。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が動脈硬化の原因になるのに対して、HDLコレステロールは抑制する働きがあるので、善玉コレステロールと呼ばれます。

 

non-HDLコレステロール

総コレステロールからHDLコレステロールを引いたものです。食後の採血や中性脂肪が400㎎/dlを超えている場合には、こちらの値で算出します。LDL-コレステロールの結果が正しく出ないときに使うものだと覚えておくといいでしょう。

 

LDLコレステロール

LDLコレステロール(Low Density Lipoprotein cholesterol)は肝臓で作られたコレステロールを全身に運ぶ働きをします。

数値が正常であれば問題ありませんが、増えすぎると血管の壁にたまります。それらが蓄積して動脈硬化を進行させてしまい、心筋梗塞や狭心症・脳梗塞などの疾患の大きな原因となります。女性の場合、閉経後はエストロゲンの低下によりLDLコレステロールが上昇する傾向にあります。

 

中性脂肪(TG:トリグリセライド)

中性脂肪(triglyceride)は重要なエネルギー源ですが、とりすぎると体脂肪として蓄積されて肥満の原因になります。中性脂肪が増えるとLDLコレステロールが増えて、HDLコレステロールが減少する傾向にあります。

中性脂肪の増える原因は、糖分や飲酒の過剰摂取や食べ過ぎが原因です。よく脂っこいものじゃないの?って聞かれることが多いのですが、実は違います。女性の場合、閉経後はエストロゲンの低下により中性脂肪が上昇する傾向にあります。

 

 

具体的な対処方法について

 

HDLコレステロール

HDLコレステロールを改善するには有酸素運動と禁煙が大切です。仕事や家事で余裕がない場合も階段を使ったり、徒歩で買い物に行ったりと日常生活の中で負荷が上がるような努力は出来ると思うので、少しずつ出来ることから始めてみてください。

 

non-HDLコレステロール

まずは食後に健診を受けることはやめましょう。中性脂肪だけではなく、空腹時血糖や尿検査にも影響が出るため、食後10時間は空けるようにしてください。糖分の入った飲み物を飲んできてしまう方がいますが、そちらも結果に影響が出てしまうため、控えてください。

 

LDLコレステロール

飽和脂肪酸が多い動物性の脂肪(冷めると白く固まる脂肪です)を控え、多価不飽和脂肪酸が多い植物性の食品(大豆性タンパク質:豆腐やオリーブオイルなど)や魚(特に青魚:サバ、アジ、イワシ、サンマ)に含まれるDHAやEPAを摂取することでLDLコレステロールが下がります。また、ポリフェノールがLDLコレステロールの酸化を防ぎ、血管を健全に保つ効果があると言われています。赤ワインやコーヒー、緑茶などに多く含まれますが、赤ワインにはアルコールや糖分も含まれますので、他の数値とのバランスに注意が必要です。もちろんコーヒーはブラックが理想ですね。

 

中性脂肪(TG:トリグリセライド)

先述の通り、糖質や飲酒を避けることが望ましいです。食後に数値が上昇しやすいため、採血の前は必ず10時間以上空けてください。特に注意が必要なのはアルコールを過剰に摂取して500mg/dlを余裕で超えている人達です。度々、芸能界の方達が「急性膵炎で入院した」なんてニュースがありますが、まさにこれです。かなり辛い症状が出ますし、治療も時間を要します。食べ物を消化する膵液や糖分の量を調整するホルモンを分泌する重要な臓器のため、大切にしてください。

 

 

日常生活で気をつけること

 

シンプルに肥満の人はやせる努力をすることです。やせるということは食事量を減らして、運動するということです。そこに向かって自然と糖質は控え、エネルギー量の多い動物性脂肪よりも魚や大豆性タンパク質を選ぶはずです。更に運動して筋力をつければ、基礎代謝量が増えて痩せやすい体質になりますよ。

また、年に1回は健診を受けているかと思いますが、採血結果をしっかりと確認し、数値がどのように変化しているか把握することが大切です。

 

他の健診項目についても説明があるため、良かったら参考にしてください。

 

高血圧について

 

糖代謝異常について

 

高尿酸血症(痛風)について

 

便潜血が陽性の場合

この記事を書いた人

セセリ ナオ

手術室、ICU、CCU、循環器病棟の経験を経て、現在では産業保健の分野で保健師をしています。人間ドック健診情報管理指導士(人間ドックアドバイザー)の資格を有し、10年以上も食事や運動など生活習慣改善に向けた特定保健指導を実施しています。
専門の知識を生かして地元のミニバスケットボールチームに関わらせていただき、子供達の成長を一緒に見守っています。

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