乳がん検診を受けたことはありますか？

皆さんは乳がん検診を受けたことがありますか？その際にご自身の乳房を自分で触り、しこりを見つける「自己触診」の指導を受けたことがある人は多いと思います。

今までの「自己触診」は検診以外の期間にしこりを自分で見つける「検診行為」という位置づけをしていました。この自己触診で乳房の異変を感じ、乳がんの早期発見に繋がることもあります。一方でしこりを見つける難しさや、自己触診という検診行為に対して継続的な実施が難しく、気づいたら辞めていたという人が少なくありません。

そこで近年、自己触診という言葉に代わって「ブレスト・アウェアネス」という概念が生まれました。

「ブレスト・アウェアネス」は検診行為ではなく、「生活習慣」だという位置づけが特徴です。生活習慣だからこそ、乳がんという疾患が身近な存在となり、関心を高めていくきっかけとなることを期待します。

ブレスト・アウェアネスの詳細について

ブレスト・アウェアネスは４つのポイントがあります。

１．自分の乳房の状態を知る

２．乳房の変化に気をつける

３．変化に気が付いたらすぐ医師に相談する

４．40歳になったら、2年に1回乳がん検診を受ける

妊娠が疑われる方や乳腺組織が密（高濃度乳房）な方へ

妊娠されている場合や高濃度乳房の方はマンモグラフィー検査は不向きです。

そのような場合には乳腺超音波検査がお勧めです。これは乳房の表面から超音波の機会をあて、内部の様子を観察する検査です。乳房内部の腫瘤の有無・大きさ・性状などが分かります。また、良性の腫瘤（繊維腺腫、のう胞）と悪性疾患（乳がん）の判別にも用いられる検査です。

40歳未満で乳腺が発達している女性においてはマンモグラフィー検査よりも乳腺エコーを選択される場合が多いです。また、マンモグラフィー検査よりも痛みが少なく、放射線被ばくがないこともメリットです。デメリットとしては小さな石灰化を見つけることが不向きです。

以上となりますが、乳がん検診の実施率というのは地域によって大きく異なります。特に人口が少なく過疎化が進む地域では検診できる医療機関が少なく、受診率が低い傾向にあります。そういう地域では明らかに末期がんの患者が多く、痛みや精神的な苦痛を伴い、高い医療費を払いながら必死に生きています。そのような姿を沢山、目に焼き付けてきたからこそ、どうか皆様に健康でいてほしいと心から願います。