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むくみのお悩みスッキリ解消しましょう!(気になるむくみの正体や予防法をお伝えします)

むくみの正体は血管から外へ漏れ出した水分です!

 

むくみは医学用語で「浮腫」といいますが、一般的になじみ深い「むくみ」という言葉を使って説明していきます。

まず「むくみ」の原因となる水分(体内の水分)は細胞内液と細胞外液に大きく分けられます。細胞内液は体全体の3分の2を占め、残り3分の1の細胞外液は血液・リンパ液・細胞間質液として細胞に栄養や酸素を運んだり、老廃物や二酸化炭素を回収します。もう1つの役割として、細胞と血管を移動して体内の水分バランスを保つ役割があります。この機能が何らかの原因で低下してしまい、過剰な水分が血管外に漏れ出し、脂肪組織などに溜まってしまう状態こそが「むくみ」になります。

 

 

むくみの原因って何??

 

むくみには「生理的なむくみ」、「病気によるむくみ」、「薬の副作用によるむくみ」があります。

生理的なむくみ

生理的なむくみの原因は水分のとりすぎ、運動不足、月経中のむくみが挙げられます。

水分は過剰に摂取すると血液中の水分量が増え、毛細血管から水分が染み出てしまい、むくみやすくなります。季節や生活環境によりますが、通常であれば1日1L程度の水分で十分です。また、こまめに少量ずつ摂取することがポイントになります。もちろん人によって水分の摂取量は全く違いますので、むくみやすい人は1日の水分量を把握し、量を少しずつ減らすようにすると良いかもしれません。

運動不足については、ふくらはぎの筋肉が収縮することによりポンプ機能を果たします。この重力に逆らった大事な役割をしてくれる筋肉が低下しているとむくみを引き起こします。

肥満の方も注意が必要です。脂肪組織によって血管が押しつぶされてしまい、心臓に戻る血液量が減ってしまいます。また、脂肪自体に水分を蓄える性質があるため、むくみやすくなります。

女性には月経と関連したむくみもあります。排卵後に血管拡張作用のある女性ホルモン(プロゲステロン)が増える影響で、月経前から月経中にかけて手足や顔がむくんでしまう傾向があります。

靴下を脱いだあとに残るむくみ

いずれにせよ、むくみによってへこむが翌日には治っている程度でしたら心配はありません。

 

病気によるむくみ

病気については主に「心臓」、「腎臓」、「肝臓」の病気が影響します。

心臓は心筋梗塞や不整脈、心筋症などの疾患によって血液の循環動態が悪くなり、血液が全身に停滞することでむくみが起こりやすくなります。

腎臓は血液中の老廃物をろ過して尿として排出する機能を持っています。この腎機能が低下すると老廃物を処理出来なくなり、本来、血液中に多く含まれない成分(アルブミン)が増えてしまいます。この成分(アルブミン)が血液中の水分量を増やしてしまうことにより、むくみを増長させます。また、腎臓が尿として水分を排出出来なくなってしまうとかなり深刻なむくみ(押してなかなか元に戻らないむくみ)となってしまいます。

深刻なあしのむくみ

肝臓は機能が低下すると白目や皮膚が黄色に変化します。このことを黄疸と言いますが、この状態になると肝機能がかなり低下していることが推測されます。腎臓の部分でお話したアルブミンという成分が肝臓で生成されるのですが、肝機能が低下するとアルブミンが作れなくなります。アルブミンがないと水分を運ぶことが出来なくなり、血液中の水分が血管外へ漏れ出します。足のむくみだけに限らず、おなかに水が溜まる状態(腹水)が現れてしまっていたら、それはむくみどころではなく、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

薬の副作用

むくみの原因となる薬の代表といえばカルシウム拮抗薬になります。この薬は動脈を拡張させて血圧を下げる作用がありますが、、静脈は拡張しません。そのため、静脈圧が上がってしまい、圧力を下げるために血管外へ水分を逃がす必要があるため、むくみにつながります。

もう1つは非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs:エヌセイド)です。この薬は消炎鎮痛効果がある反面、腎臓の水分の再吸収を促進させます(尿量が減って体内の水分量が増える状態)。結果、全身の血液量が増えてしまい、むくみの原因となってしまいます。

この2種類の薬を飲んでむくみが目立つ場合には、かかりつけ医または内科を受診されることをお勧めいたします。

 

 

むくみはもちろん足だけじゃない!

 

これまで「生理的なむくみ」、「病気によるむくみ」、「薬の副作用によるむくみ」について説明しましたが、重力の影響で下半身がむくみやすいのは当然です。その他にも「顔やまぶたのむくみ」、「手や腕のむくみ」、「片足の急なむくみ」などが起きる可能性もありますが、それはどんなときでしょうか?

顔やまぶたのむくみ

美顔ローラーを使用している女性

心臓より上にある顔は本来、むくみにくい場所になりますが、飲酒した翌朝に顔がむくんでいる場合があります。これは血中アルコール濃度が高まり、血管が拡張して血管外へ水分が過剰に染み出すのが原因です。塩分の多いつまみを食べると体内の塩分濃度を保つために水分を蓄えやすくなるため、余計にむくみやすくなります。

手や腕のむくみ

就寝中に心臓よりも下にある手や腕がむくんでしまう場合があります。また体重や不自然な姿勢で血流を圧迫されていると翌朝にむくんでしまうこともあります。時間が経てば改善するむくみがほとんどのため、あまり気にしなくても大丈夫です。

片足の急なむくみ

長時間の座った姿勢を維持していると急に片足だけむくんでしまう場合があります。これら深部静脈血栓症の可能性があるため、気づいたら外科を受診されることをお勧めいたします。

この長時間の座った姿勢についてはエコノミークラス症候群を引き起こす可能性もあるので、注意してください。起き上がったときに急な胸の痛みや呼吸困難・息苦しさを感じたときは速やかに周囲の人物に相談したり、救急車を要請するようにしてください。重症の場合には意識を消失し、命にかかわる危険性もあるため、迅速な行動が必要です。

顔や手・足のむくみが長続きする場合には心臓や腎臓の病気が隠れている場合があります。気になったら迷わず医療機関に相談するようにしましょう。

 

 

むくみを解消するケアについて

 

心臓に向かってマッサージ

むくんでいる部分を中心に心臓に向かってなでるようにマッサージします。足先から太ももに向かってマッサージし、血液を心臓に流してあげるイメージで行うと良いでしょう。

また、膝窩リンパ節や鼠径リンパ節などをさするようにマッサージすればリンパ液の流れも良くなるため、足のむくみには効果的です。

弾性ストッキングを着用する

弾性ストッキングを着用している足

むくみの改善や下肢静脈瘤の予防に有効な弾性ストッキングを着用することもかなり有効です。血液を心臓に戻す働きを手助けしてくれるため、下肢の筋力が少ない方やデスクワークなどで足の運動量が少ない方にはお勧めです。市販の弾性ストッキングで十分効果はありますが、むくみがひどい場合には医療用の弾性ストッキングを使用する必要がありますので、必要時は医療機関にご相談ください。また、弾性ストッキングには膝下や膝上のタイプなどがありますが、通常のむくみであれば膝下で問題ありません。

寝るときは足をクッションで高くする

寝るときに足をクッションなどで高くして心臓よりも高くしておけば、重量で心臓に血液が戻りやすくなります。飲酒後で顔のむくみを残したくない場合は頭をいつもより高くすると効果があります。酔っ払ってそのまま寝てしまうと翌日は結構大変です。

仰向けで手足をブラブラさせる

仰向けになって両手両足を垂直にあげた状態で手足をブラブラさせます。手足に溜まっていた血液が重力と刺激により心臓に戻りやすくなるため、むくみに効果的です。

入浴後にむくんでいる部分を冷やす

入浴して血管が拡張した状態にしておくと、むくみは改善しずらいです。お風呂から上がる前に冷たいシャワーをかけると静脈が収縮して血流が減少することによって、むくみの改善につながります。高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病や喫煙者などは心疾患や脳卒中などのリスクを上げてしまうため、控えるようにしましょう。

お酒を飲まれた方は寝る前に冷たい水で顔を洗うと翌朝のむくみ対策になります。

 

 

むくみを予防するケアについて

 

水分をとりすぎない

むくみで頭を抱えている人は水分を摂りすぎている場合があります。これは冒頭でも説明しましたが、人によって水分の摂取量は全く違いますので、水分摂取量をしばらく管理して調整することが大切になります。

下半身を鍛える

下半身というよりふくらはぎの筋力を鍛えることが大切です。筋力が血液を心臓へと戻すポンプ機能の働きを持つため、日ごろから負荷を与えて筋肉の維持・向上に努める必要があります。ジムに通ったり、特別な器具を使う必要もなく、普段の生活で早歩きを意識したり、エレベーターやエスカレーターなどを使わないようにするなど日常生活の中で改善できるところを探していきましょう。

デスクワークをしている方は座ったままでも出来る「かかと上げ下げ運動」がお勧めです。つま先をつけた状態で両足のかかとを上げ下げするだけでふくらはぎの筋肉が収縮するため、血流が良くなります。多少の疲労を感じるまで実践できれば筋力向上にもつながりますので、日々の中で取り入れるようにしてみてはいかがでしょうか?

睡眠の時間を確保する

睡眠不足やストレスは自律神経の乱れにより、血流が悪くなります。十分な睡眠をとったり、普段からストレスへの対策をとることが大切です。

体を締め付けない

おしゃれに窮屈はつきものですが、むくみにとって窮屈は大敵です。体を締め付けるジーンズやパンプスなど血流を阻害するものは出来るだけ避けたいところです。肥満による脂肪の蓄積も同様に血流が悪くなりますので、肥満を解消することは非常に大切なことになります。

 

むくみをはじめ、すべての異常については意味があります。ほとんどの方が異常に気づいていながらも、病院に足を運ぶのは面倒くさかったり、知ることが恐いと感じる方もいます。今感じている異常が、時には命に関わることだってあります。どうかお身体を大切にしていただき、日々を健やかにお過ごしください。

この記事を書いた人

セセリ ナオ

手術室、ICU、CCU、循環器病棟の経験を経て、現在では産業保健の分野で保健師をしています。人間ドック健診情報管理指導士(人間ドックアドバイザー)の資格を有し、10年以上も食事や運動など生活習慣改善に向けた特定保健指導を実施しています。
専門の知識を生かして地元のミニバスケットボールチームに関わらせていただき、子供達の成長を一緒に見守っています。

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